保育の専門学校に通っていたとき、実習先として来たのが江東楓の会との出会いです。子どもと関わる仕事がしたいと思っていましたが、第三あすなろ作業所で初めて利用者さんと関わったことで、福祉の仕事をしていこうと決めました。障害者というと、最初は体が不自由な人というイメージが強かったのですが、実際には、障害の度合いも軽度から重度までさまざまで、健常者と変わらない見た目の方もたくさんいました。いろいろな利用者さんと接したり、話をしたりすることが思いのほか楽しくて、ここで働けたらと思ったんです。
仕事は楽しいですが、人対人なので、コミュニケーションで苦労することもあります。こちらの思いや意図がうまく相手に伝わらなかったり、中には作業所に来なくなってしまう人もいて、どう対応すればいいか悩むこともあります。そんなときに私が心掛けているのは、とにかく相手の話をよく聞くこと。自分が思うことだけを一方的に話しても何も伝わらないし、何も変わらないので、対話を通じて相手の思っていることを引き出し、理解していくことが大事だと思うようになりました。利用者さんの小さな成長や変化を見つけたり、信頼関係が築けたときには本当にうれしく思います。
今年で入社3年目。業者の担当も任されるようになり、少しずつ責任が重くなってきていますが、そのぶんやりがいも感じています。最初の頃はまったく関わってくれなかった人が心を開いてくれるようになったり、他の人が頼むと嫌がることも、私がお願いすると動いてくれることもあって、利用者さんとの関係性も深くなってきていると感じます。
作業中は、利用者さんが安心して作業に取り組めるような環境を整えることはもちろん、モチベーションを高めるためにいつも楽しく会話をするように心掛けています。その方が私自身も楽しいですしね。ただ、今後利用者さんが社会に出たり、就職したりしたときのことを考えると、“楽しい”だけではいけないのかなと葛藤することもあります。一人ひとりの人生を考えて、どう支援していくのが一番いいのか、先輩や上司と話し合いながら試行錯誤している最中です。
江東楓の会は、職員がフレンドリーで話しやすいです。私にとっては年上の方が多いのですが、みんな気さくで、風通しがいい雰囲気です。今後はさらに支援のスキルを上げて、利用者さんにとっても、職員にとっても、一緒にいて楽しい、仕事がしやすいと思ってもらえるような存在になりたいです。